こんにちは!金継ぎストYukiです!
今回は多くの方が気になっている、ガラスへの金継ぎ(しかも漆を使った金継ぎ!)について、もしやるんだったら、どういう点に気をつけなければばらないか、ご紹介させていただきます!どこの本にものっていない、希少価値の高い内容が満載です!!!
ガラスに金継ぎができるのか?
金継ぎに関する質問で多いのが、「ガラスに金継ぎってできますか?」…答えとしては、「できるものもあります!しかし、とても難しいです!!」
もともと金継ぎは、陶器に対する漆を使った修復技法です。昔は「ガラスは安いので、壊れたら捨ててしまえ!」という考えが多かったと思いますが、最近は高級なガラス製品も多くあり、大切なガラスの器が壊れた時に修理したい、と思う人が増えています。
しかし、漆器や漆塗りをされていた漆職人さんは、ほとんどガラス金継ぎを行っていません。
一部のごく少数の職人さんが、おそらく試行錯誤しながら自ら技法をあみだし、ガラス金継ぎを行っていると思います。私も、その数少ないガラス金継ぎを行う職人さんから学び、習得しました。
初心者が行うのは難しい、ガラス金継ぎ。それでも、どうしてもやってみたいあなた!!ガラス金継ぎで気をつけるべきポイントを5つまとめてご紹介します!(漆を使った伝統金継ぎのガラスへの応用、に絞って紹介します。)
ガラスから透けて見える漆の茶色をどうするか?
漆は、茶色いです。時間が経つほどに、どんどん濃い茶色になっていきます。
陶器の割れ・欠けのお直しでは、漆を内部に塗っても、埋めたり接着したりして見えなくなるので問題ないのですが、ガラスは透明なので、割れや欠けの内部が横や裏側から見ると、はっきり見えます。表から見たら金粉で装飾されていてきれいな金継ぎでも、少し斜めから見た瞬間、茶色が見えて、美しさが損なわれます。それが嫌な方は、もう透明のシリコン系接着剤で割れを接着し、表面のみを本物の漆でコーティングするという方法がとられることもあります。
漆の茶色が見えるのを阻止するために、いくつかの本には、割れ面を金箔で目隠しすると書かれていますが、金箔は静電気でふわふわして扱いづらく、また少しのズレも許されないガラスの接着に対して、割れた破片同士の間に金箔が入ることで、ズレが生じやすくもなります。(その金箔を割れの断面につけるのも漆なので、少し茶色くなります)もう仕方ない!と、逆に漆が透けて見えることをおしゃれに転用するため黒い漆で接着し、表面は銀継ぎをすることで黒の割れ目と銀の渋いコントラストで、イケてるガラス銀継ぎにしたりすることも!(似合うかどうかは器によります)
欠けも、その断面に直接茶色い漆を塗ると、裏側から透けて汚く見えるので、漆に黄色い粉を混ぜて黄色い漆にし、欠けの一番底に塗っておくことで、目隠しをすることもあります。黄色と金色、ちょっと似ていますしね。
この、ガラス断面を横・後ろから見た時の漆の色について、どう対処するか?!器によってしっかりと考えてから、ガラス金継ぎを行うのが良いです(*•ω•*)
ガラス用漆を使うべし
ガラスはとてもつるつるしているため、通常陶器や木に塗る漆では、すぐにとれてしまいます。そこで最近は漆やさんから「ガラス用うるし」なるものが販売されています!!!
実は、純粋な漆ではなく、合成樹脂も入っています。しかし、メーカー曰く、食品安全法適合だそうです。もうガラスにはこれを使うほかありません。
しかし、ガラス用うるしは、通常の漆に比べて乾くのが遅いので、金継ぎ中のガラスは、長期間、漆風呂に入れて保管する必要があります。メーカー曰く、大体3週間くらい置いてください、だそうです。またガラスは膨張するので、ガラス用うるしを使ったからもう剥がれない!というわけではなく、温度差でガラスが伸縮することで漆がとれやすくなるので、注意が必要です。
ガラス金継ぎした後は、例えばグラスの場合、冷たいお飲み物専用などにするのがよいです。ガラス用うるし自体は、耐熱性なので、お湯につけても大丈夫です。
割れは絶対にズレないよう接着すべし
ガラスの割れは、陶器の割れと、断面の様子が違います。ガラスはとても鋭利で、平らな断面になっています。
そこで、少しでも割れた破片同士の間にチリ・ほこり・ガラス粉があると、仕上がった時にどこかがズレてしまいます。割れの接着を行う前に、断面にセロテープなどで、ぺたぺた貼っては剥がしを繰り返し、ガラス断面には何もついていない状態にしてから接着しましょう。
そして、ガラス用漆(私は、主に上赤呂色を使っています)を薄く塗り、漆だけの力で接着します。陶器では「麦漆(むぎうるし)」と言われる、小麦粉+水+生漆でできた接着剤を使いますが、小麦粉がカサを増してしまうので、ガラスの割れの隙間に入ることはできません。(というか、ズレやすくなります)
ガラスの割れの接着がうまく行っているかは、指の触感でズレがないかを確認します。直接触るとはみ出た漆を触ってしまうので、初心者はテープを貼った上から確認します。職人さんは、本当の触感を知るために、素手で爪の先で確認しますが、一般の方は皮膚のかぶれの原因になるので、おすすめしません。
ちょっとズレてもいいや、オブジェにしよう、くらいのおおらかな気持ちで挑んでみてください(*´ω`*)
ガラスに傷をつけないよう研ぐべしガラス金継ぎをお勧めしない破損のタイプもあります。
ガラスは非常に傷がつきやすく、かつ目立ちやすいので、欠けを埋めた後にその表面を研ぐ時は、ガラスにサンドペーパーが当たらないように、慎重に研いでください。また、陶器と違って欠けの表面のザラザラ感が少ないので、刻苧や錆漆がくっつきにくいです。
ちょっと力を加えると、ポロっとまたとれてしまうので慎重に、慎重に、慎重に。。。(ちなみに当校では、ガラス金継ぎには刻苧を使用せず、特別な錆漆を用いています)
金継ぎができないガラスの破損タイプ
ガラス金継ぎをお勧めしない破損のタイプもあります。それは…ワイングラスのステムの部分のような、細く支える部分です!漆では、まず強度的に、修復は無理です。
修復できたとしても、グラスに液体を入れて使用中に、突然折れてしまうことがあり危ないので、オブジェ確定です。(それも、突然折れても問題ないようなところに飾ってください)どうしてもステムを修復したければ、2層式のエポキシ樹脂で硬化させます。しかしエポキシでも、耐久性は完璧ではないため、やっぱりお勧めしません。
最後に
どうしても自分で直したいので、オブジェになってもいいからガラス金継ぎを体験したい!という方はよいのですが、本当に大切なガラスの器を、きちんと修復したいとお考えの方は、プロに任せるのが安心です。
つぐつぐでは、本漆金継ぎの職人さんが10名以上集まった、日本初・世界初のオンラインマッチングプラットフォーム「つぐつぐ」を運営しています!
自分の器の破損だといくらくらいかかるのかなぁ・・・と悩まれている時に、ぜひ無料会員登録の上、職人さんに直接お見積もりを依頼してみてくださいね!!!
どの職人さんにガラス修理を頼んで良いか迷われる方に朗報!!
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他にもガラス金継ぎできる職人さんいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください!
※つぐつぐの店舗(恵比寿・浅草)では2022年6月1日よりガラス修理の受付を終了しました。現在、陶器・磁器のみ修理をお受けしております。ただし、つぐつぐ店舗の金継ぎ教室にてご自身でガラス製品をお直しするお手伝いはさせていただいております。
ガラス金継ぎはできませんが…陶器には初心者用金継ぎキット
当社は、1年前の2020年5月に始めて金継ぎキットを販売開始したのですが、2021年の1月には、アマゾン・楽天・ヤフーで金継ぎキットの中で売り上げNo.1になるほど、お客様からご好評いただいております!
金継ぎは自分で自宅でできてしまう今、それでも先生から直接習いたい!というお声にお応えするべく
2020年12月から東京四谷で金継ぎ教室を開講し、
2021年2月には東京広尾に金継ぎ教室の店舗で、皆様に金継ぎの魅力を広めています!!!
しかし、東京郊外の方やお時間が合わない方は通えないため、4月よりZoomを使ったオンライン教室を開始し、日本全国どなた様でも先生に質問できる仕組みをつくりました!!!(海外にいる日本人の方も受講してくださっています^^)
金継ぎファンの全てのニーズに150%の満足度でお応えできるよう頑張っています!!!
金継ぎキット専門店「つぐつぐ」とは?
つぐキットを販売する店名を
金継ぎ・金継ぎキット専門店「つぐつぐ」
Traditional Kintsugi Shop TSUGUTSUGU
という名前に決定いたしました!!!
そしてロゴも作りましたよ^^(お教室のロゴとすごく似ているが。)
現在、ありがたいことに、アマゾン・楽天・ヤフーで、お客様からも、時にご指摘をいただきながらも、星4.5以上の全体的に大変良いレビューをいただいており(2021.5.5時点)感謝してもしきれません。
実は現在、手順書をもっと見やすく、詳しくして欲しいというご要望にお答えするため、手順書のページ数を4ページ増やして、シンプルさは残しつつも、つまずきやすいポイントを徹底解説し、ヒビについての特別な説明も追加し、写真もプロによるわかりやすく大きなものに改訂する作業中です!!!(※追記:2021年8月、完成しました)
さらには、オンライン教室で、コロナ禍でも皆様とつながりを絶やさずサポートさせていただいております!!!
器を継ぎながら、人と人をつなぐ。
今後も、一人でも多くの方に満足していただけるよう、やりたいことは山ほどあるのですが、一つずつ頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします^^
以上、Yukiでした♪
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